たとえ発売が先だとしても,今ここで新しいiMacを出す意味はあった。今はまだ夏だが,年末のクリスマス商戦がそこにみえる。iBookへの早い出足に気を良くして,クリスマス準備は9月26日からのマックワールドエキスポ/パリで間に合うとみたか?
マックワールドエキスポ/ニューヨークが,アップル社のCEOのスティーブ・ジョブズの基調講演で始まった。ジョブズ氏は,「10 on X」としてマックOS X対応アプリを10人のデベロッパーを招いて紹介した。そしてマックOS X 10.1を9月リリース予定と述べた。iMacはスピードアップがなされ,PowerMac G4は新筐体でスピードアップとデュアルプロセッサモデルの追加となった。
ある意味では非常にふがいない発表となってしまった。iMacは,いまだにCRTを積み,色も真新しさがない。スピードアップはなされたが,新鮮味はかけらもない。G4も,至極真っ当なアップデートでしかなく,画像が流出していたのも大きな痛手となったか(過去記事)。まぁいつも通り,大きな期待は裏切られるということで…。
その分,マックOS X絡みはそれなりに充実という感じ。Quark XPressとInDesignのそろい踏みはここはシーボルド会議ですか? というくらいにパブリッシングに関わるものの胸を捕らえたし,iDVD for OS Xはプロ向けだけでなく,コンシューマー向けのDVD作成でも明確な地位を示してみせた。ただまぁソフトウェアに関しては,使ってみなければわからないわけで,アップルのニュースリリースにある操作のレスポンスが「劇的に短縮され」たと云っても絵に描いた餅っぽい。結局,わずかなビルド・アップを報告するよりは,9月に大きく,という道をとったわけだが,さてさて,ハードにしてもソフトにしても,世間の流れはそんなまったりしたものを許すかどうか。なんにしても,そこが燃え尽きたら本当に終わってしまうパリが9月26日に待っている。気が早いけど,そこがOS X 10.1の発売と,iMacのリニューアル,PowerBook G4チタンのアップデート,そして,PDAへの想いも込めた舞台となる。
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